なぜレアルとバルサだけが儲かるのか?/アルフレード・ガティウス&ホセ・マリア・ウック

 

なぜレアルとバルサだけが儲かるのか?―サッカークラブ経営に魔法は存在しない

なぜレアルとバルサだけが儲かるのか?―サッカークラブ経営に魔法は存在しない

 

 

 レアル・マドリッドバルセロナを例にとって、サッカー
クラブの経営の考え方について消化した本です。

 特に、リーガ・エスパニョーラのクラブは、借金まみれの
クラブが多くて、バレンシアみたいに、チャンピオンズリー
グに出てくるようなクラブでも破産してしまったりしていま
すが、UEFAがファイナンシャル・フェアプレーという制
度を施行してからは、クラブは、ある程度財政を健全化しな
いと、大会への参加ができないなど、クラブの存立にかかわ
るようになってしまい、キチンと意識しないといけなくなり
ました。

 この本では、レアルとバルサが例に出されているので、世
界中の他のクラブと違い、この二つは、選手を売ることに
ビジネスの重点がないクラブなんで、サッカークラブの経営
一般を見るといった側面では、ふさわしい素材じゃないのか
も知れませんが、純粋に興行をメインとした経営という意味
では、逆にいちばんサッカークラブのイメージらしいのかな
…とは思います。

 財務をちょっとだけかじっただけでは、かなり特殊な指標
も使って、財政状況を紹介されているので、難しい部分はあ
るのですが、選手を資産として計上したり、減価償却が行わ
れたりと、へえー、と思わされることが満載です。