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惨敗の理由/戸塚啓

フォトリーディング サッカー

 

惨敗の理由

惨敗の理由

 

 

 ブラジルW杯を終えて、イタリアに戻ったばかりのザッケ
ローニ監督に、W杯での戦いについて、問いただすといった
内容の本になります。

 この本で再三ザッケローニが発している言葉で気になった
のが、「自分たちのサッカー」と「インテンシタ」の二つ
です。

 W杯直後、あの誇り高きオランダでさえ、スペインに対峙
するために、自分たちのスタイルを捨てて相手の良さを消し
に行ったのに、弱小である日本が自分たちのスタイルを押し
通して勝てると思うのはナイーブに過ぎる、という批判があ
りましたが、それは後出しじゃんけんの言い分で、フェアで
はないと思うのですが、あまりにも戦い方の引き出しが少な
すぎたんじゃないか、というのが、インタビュアーの戸塚さ
んの言葉から染み出ているような気がします。

 二つ目の「インテンシタ」英語で言えば、インテンシティ
ということで、W杯でサプライズを起こした、チリやアルジ
ェリアなどの戦い方を表すキーワードにもなったことなので
すが、日本代表には、これが欠けていたということです。

 別の雑誌で、ザックジャパンのイタリア人スタッフのコメ
ントとして読んだのですが、イタリア人である彼らとしては、
W杯のような真剣勝負の場で、ああいう腰の引けたプレーに
なってしまうというのは、全く理解できないことなんだと
いうことです。

 最後のあとがきを読んで、何て適切なまとめなんだ、と
思ったのが、日本だと、出かける人を送り出す時に、「お気
を付けて」と言うのに対し、欧米だと「よい一日を!」と
言うことが多いということで、日本人が失敗を避けることを
第一義にするのに対して、欧米人が「楽しむ」ひいては、
如何に勝つかということに集中する、というメンタリティ
の一番深いところの違いを、結局はザッケローニが理解でき
なかったんだなぁ…と思わざるを得ません。

 っていうか、そういう根柢のところのメンタリティが改善
されないと、W杯で結果が残らないんだとすると…かなり
絶望的な想いをさせられる本でした…