餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか?/林總

 

餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか? (PHP文庫)

餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか? (PHP文庫)

 

 

 しっかり著者ループモードに入っている林さんですが、これ
が本格的なブレイクのきっかけとなった本です。

 父の急死により、アパレルメーカーを受け継いだ若い女性が
コンサルタントのサポートを得て、社内の不満分子との闘いに
打ち勝ち、メインバンクの信頼も得て、事業を継続させるとい
った、林さんお得意のストーリー仕立ての本です。

 この本で語られるのは、如何に管理会計の情報を経営に活用
するか、と言うことなのですが、表面的な数字だけでは、如何
管理会計が、経営の「見える化」のツールであるとはいえ、
悪意のある「数字」をでっち上げる可能性もあり、現場を見な
がら、その傍証として管理会計の数字を活用することの重要性
を語られています。

 現場を見ていて、一見ナットクの行かない数字が出てくるこ
とが出てくることもあるのですが、切り口がおかしかったり、
想いもしない原因があったりと、結局は、数字はウソをつかな
いということです。

 よくリストラの場面である、費用の削減なんですが、ただ
単に費用を下げるだけでは、それが競争力を下げるだけのこ
とになってしまうことになりかねないということのようで、
会計の数字は、あくまでも現場の現象とセットで活用すべき
モノのようです。