説得する力/団野村

 

説得する力 (日文新書)

説得する力 (日文新書)

 

 

 名監督・野村克也氏のご子息であり、日本野球界
における代理人の草分けでもある団野村さんの著書
です。

 団野村さんと言えば、野茂投手や伊良部投手のメ
ジャー移籍を手掛けられたこともあって、日本球界
にとってはパイオニアとも言うべき功労者であるに
も関らず、NPBの批判の尻馬に乗って、彼らの移
籍のスケープゴートにされた感があって、どこかア
ンチヒーローの印象を持つ人が多いのではないでし
ょうか?

 ワタクシ自身も、少なからずそういった印象があ
ったのですが、モチロン団さん自身の著書何で、殊
更自分のことを悪しざまに書くはずがない、と言う
ことを割り引いても、選手のことを第一に考えて、
日本とアメリカの制度の狭間で、タフに生き抜いて
来られたようです。

 じゃあ何故ここまで団さんが叩かれるのか?と言
うと…

 ・どうしても日本のマスコミは、球団側orNPB
  側に寄った報道になりがちなこと
 ・母親である野村沙知代さんを含めて、割と叩き
  易い空気があったこと
 ・アメリカ流のビジネスマナーへの理解の不足、
  かつそれに対する反発があること

なんじゃないかな、とこの本を読んでいて思いまし
た。

 でも、サッカーの代理人の本も読んだことがあり
ますが、団さんがおっしゃっていることは、概ね、
真っ当な印象を受けますし、逆にNPB及び球団の
閉鎖性を強く印象付けられました。

 こういう人がちゃんと評価されてこそ、ビジネス
グローバル化が浸透したと言えるのかも知れませ
んね。