偶然のチカラ/植島啓司

 

偶然のチカラ (集英社新書 412C)

偶然のチカラ (集英社新書 412C)

 

 

 この本も川上さんの『答えはすべて本に書いてある

で取り上げられていた本です。

 運がいいとか悪いとか、運について語る本は多い
ですし、いかに運をツカむか、というのは、自己啓
発本の主要テーマの1つだったりします。

 植島さんは冒頭で、じゃあ、運をつかもうと思った
ら、「運や偶然の仕組みはいったいどうなっているの
か」ということを知る必要があるんじゃないか、とい
うことで、「偶然」ということについての例を多数紹
介されているのがこの本です。

 割と「偶然」を手がかりにエッセイっぽく書かれて
いるので、底辺を流れるテーマみたいなものが掴みに
くかったりはするのですが、追えば去る、あきらめれ
ばふと手に入る、的なことが多く書かれています。

 また、不運についても書かれているのですが、例え
ば、最近ゆきずりの殺人で「相手は誰でもよかった」
的なコメントを犯人がしていることをよく耳にします
が、そういう極めて理不尽な「不運」も突き詰めれば
受け入れるしかないということで、殺されてしまった
らどうしようもないですが、そこからどうしよう、と
いう姿勢が「運」を活かす上で重要なのかも知れませ
んね。