- 作者: 藤巻健史,宿輪純一
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2013/05/31
- メディア: 単行本
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先日紹介した、『日本破綻 「その日」に備える資産防衛術』
と同じ流れにある本なのですが、こちらの本が書かれたときは、
既に政権が自民党に渡っていて、いわゆるアベノミクスが始まっ
た後になっています。
「円安vs.円高」なんてタイトルなんで、それぞれの論客が
ガチの論戦を繰り広げるように思えますが、そんなに論点が相反
しているわけではありません。
藤巻さんは前著にもあったとおり、円安により円を適正なレベ
ルに誘導することで、経済を立て直そうと言うことなのですが、
アベノミクスの方向性と、一見一致しているように見えます。
ただ、この政策が取られるのが遅きに失したため、ある程度の
ハードランディングは覚悟せざるを得なくなってしまった、と
いうことと、方法論が公共投資の拡大と金融緩和になってしまっ
ているため、効果が国内に限られてしまい、十分に円安に振れな
い可能性が高い、ということです。
この本で藤巻さんは、再三「日本は社会主義国家なので」とい
う言い方をされていますが、通貨の流動性が著しく低いことで、
十分に実力に見合った通貨の価格になっていないことが問題の
元なので、そこに手をつけて行かないと、なかなか意図したよう
に円安にはならない、ということです。