“食の安全”はどこまで信用できるのか/河岸宏和

 最近、『「外食の裏側」を見抜くプロの全スキル、教えます。』が話題をまいている
食の品質管理のプロ、河岸さんの著書です。

 正直、「知らなければよかった」と思わなくも無いくらい、恐ろしい内容
です。

 この本が書かれた2007年には、中国製冷凍ギョウザ事件が発生し、食の
安全が急にクローズアップされたのですが、それ以前に日本の「食の安全」
に関する意識って、こんなに低かったのか?と驚愕する内容です。

 産地の偽装や賞味期限の改竄(そもそも、賞味期限って、販売するところ
が任意に決めていいって知ってました?)などなど、スーパーや外食産業
における、ずさんな品質管理の実体があらわにされています。

 冒頭の中国製冷凍ギョウザ事件についても、販売元は被害者面をしていた
ように記憶していますが、そもそもそういうことがチェックできる体制を
取っていなかったことが問題だと、河岸さんは指摘されています。

 そもそも、ただただ儲けることだけを考えている業者、ひいては、安さ
ばかりを求めようとする消費者の市制についても、考え直さないといけない
ということも併せて指摘されてます。

 いやいや、恐ろしい内容ですが、すべての日本人が手にとって熟読玩味
すべき内容の本でした。