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低予算でもなぜ強い?/戸塚啓

 

低予算でもなぜ強い? 湘南ベルマーレと日本サッカーの現在地 (光文社新書)
 

 

 最近、ワタクシの周囲のサッカー好き、特にJリーグに関心のある人達の間で、湘南ベルマーレに注目している人が増えているなぁ…と思ったら、こんな本が出てたんで、手に取ってみました。

 ベルマーレというと、かつては中田英寿選手を始めとして、名良橋選手、小島選手、呂比須選手さらには、韓国代表の英雄・洪明甫選手など、数多くの代表選手を輩出する強豪だったのが、親会社であるフジタの撤退後、資金難もあり、存続の危機にさらされたこともあって、J2へ降格してしまい、半ば忘れ去られたところもあったのですが、独立系のクラブとして立て直しを図り、2014年にはJ1昇格、2015年には、見事J1残留を果たすまでになりました。

 親会社を持たない独立系のクラブと言うことで、タイトル通り資金も潤沢にある訳ではないのに、なぜ、ここまで強化を進め、サッカー通を魅了するサッカーを確立するに至ったのか、というのがこの本の主題です。

 社長や強化担当、監督らのインタビューで構成されているのですが、如何にしてベルマーレの「コンテンツ」としての魅力を向上させるか、と言うところに心を砕かれていて、その方針が、クラブ全体に浸透しているのです。

 クラブの運営をラクにするには、勝ち続ければいいのですが、そのためには、いい選手を取ることが必要ですし、いい選手を取るためにはおカネが必要です。

 また、いい選手やいい監督を揃えたからと言って、必ずしも勝ち続けることができるわけではありません。

 だから、ベルマーレは、アグレッシブに走り回り、たとえ負けたとしてもその頑張りが、応援してくれる人の勇気や活気につながるようなサッカーを志向し、その結果、近年の目覚ましい成果につながったということです。

 企業でニッチ戦略ってよく聞きますが、少なくとも日本のサッカー界における「ニッチ戦略」の最初の成功例として、後の世で語られるようになるかも知れませんよ。