ロックと共に年をとる/西田浩

 

ロックと共に年をとる (新潮新書)

ロックと共に年をとる (新潮新書)

 

 

 読売新聞で、ポピュラー音楽を担当されている方による、中高年層に向けた「ロック本」です。

 ご自身のロック記者としてのクロニクル的な色彩もあるのですが、近年、現在の40,50歳代以上のオトナが若き日に熱狂したであろうアーティスト達が活動を再開して、何十年振りに来日公演を開催したり、といったことが増えているようですし、かつての名盤が復刻されたりということで、それらをきっかけに、ロックに復帰されてはいかがですか?という「誘い」の要素もあります。

 かつては、ロックというのは若者の音楽であり、反体制的な側面も多分にあったのですが、表現者側も歳をとり、ある意味丸くなって、かつてのヒット曲を再演して喜んでくれる人がいるんであれば…といったスタンスで、かつて反目し合い袂を分かった仲間と再度演奏を共にするといったことがあるようで、受け手側も、若い頃であれば、「産業主義に毒された」みたいな反応をする人も少なからずいたかもしれないのですが、そちらの方も丸くなって、ただ単にかつて入れ込んだアーティストを「生で見れる」ということで価値を見出しているようです。

 ワタクシ自身もそういった再結成バンドの来日公演に、結構行っていて、確かに全盛期に比べると演奏スキルも、??といった部分も無きにしも非ずなのですが、そんなことに目くじらを立てるよりも、単純にノスタルジアに浸る快感を味わう機会と感じています。

 周りもオッサン、オバハンばっかりなんで、気後れする必要もないですし、そういった機会があれば、是非!!