本当に使える経営戦略・使えない経営戦略/山田修

 

本当に使える経営戦略・使えない経営戦略

本当に使える経営戦略・使えない経営戦略

 

 

 この本も出口さんの推薦図書です。

 著者は、企業再生を手掛けてこられた「経営のプロ」なんですが、この本の主旨としては、経営コンサルタントが振りかざすフレームワークに則って分析をしても、自動的に企業戦略が出てくるわけではないですよ、ということなんでしょうか…

 出口さんの推薦図書だけあって、ちゃんと自分で自社の向かう方向性は考えないとダメですよ、ということで、著者の山田さんなりのフレームが紹介されてはいるのですが、大部分は、「如何に、既存のフレームワークが使えないか」ということを述べられています。

 モチロン、その枠組みが作られた時には、ある対象にとっては、ある程度その有効性があったということですが、それが、汎用性を持つモノであるのか、ということについて完全否定されています。

 というのも、これらのフレームワークは、GEやデュポンといった欧米の巨大企業向けに、ボスコンやマッキンゼーカーネギー・メロン大学といった、周辺のブレーンたちが作ったモノであって、その他の企業のことを念頭に置いて作られたモノでない以上、その有効性を保証する所以は、全くないということです。

 にも関わらず、これらの理論を駆使したコンサルに大枚をはたくなんて、金をドブに捨てるようなもの…に近いことをおっしゃっています。