「任せ方」の教科書/出口治明

 

 ビジネス本を「否定する」出口さんによるビジネス書です。(クドい?)

 出口さんらしいのは、「任せる」ことの意義について、史上最大の帝国であるモンゴルのフビライ・ハンの施策を引き合いに出して、任せることが出来たからこそ、あれだけの規模の組織運営ができたということです。

 また、部下の成長と言う面でも、ある程度の範囲の業務を自己の裁量で遂行することにより、自律的に業務を遂行する力が付き、組織にもたらすメリットも多大なモノとなります。

 そのためには、

  ・任せる範囲を明確にし
  ・細々と口を出さない

ことが重要だということで、その辺りが任せる側の心構えが問われるところのようです。

 出口さんは、プレイングマネージャーを強く否定されてお
られて、

  ・部下:80点以上を目指して研鑽する
  ・上司:全員が60点以上を取れるようにする

という違いをキッチリ意識しないと組織が崩壊してしまうリスクがあると指摘されています。

 80点を目指していた人が、部下の60点を見て、これでよし!とする度量が試される、ということのようです。