やっぱり英語をしゃべりたい!/中尊寺ゆつこ

 

やっぱり英語をしゃべりたい!―英語負け組からの華麗なる脱出法 (ちくま文庫)

やっぱり英語をしゃべりたい!―英語負け組からの華麗なる脱出法 (ちくま文庫)

 

 

 バブル期に「おやじギャル」を題材にしたマンガで一世を風靡した中尊寺さんの英語習得に関するエッセイ風の本です。

 2005年出版の本なのですが、この本の校了後まもなく中尊寺さんが亡くなられたということで、文字通りの遺作になります。

 マンガ同様、英語を話す人を茶化しているのかと思いきや、思いの外、真っ当すぎるほど真っ当な内容です。

 生前、NHKの『英語でしゃべらナイト』という番組でも、ご自身の英語習得についてのお話をされたということですが、マンガやエッセイから受ける印象とは異なり、丹念に文法やボキャブラリーの習得を積み上げて、話せるようになったということです。

 あんまり具体的な学習法とかが紹介されているわけではないのですが、多くの英語学習者にとって耳が痛くも、金言と言えると思うのが、「初球を突き抜けるところま
では、石にかじりついてでも習得せよ」ということで、あまりにもそれ以前で引き返してしまうことが多いことを嘆かれています。

 後は、積極的にコミュニケーションを取ろうとすることについては中尊寺さんのイメージ通りなんですが、王道と言えるでしょうね。

 その後、英語を話せたことによる「ごほうび」についての記載が、一般人ではここまでは難しいにせよ、モチベーションになるんではないかと…

 英語の習得を志すソフトな層から支持を集めたであろう方が、こういうマジメな英語本を出されていたというのが、意義の高いことだったのかな、と…