田口さんの著書が続きます。
この本は、前２作の日記ベースの構成から離れて、2009年のシーズンを迎えての田口さんが「脇役」ということをテーマに自身の野球への取組みを語る、というモノになっています。
2009年シーズンにフィリーズに移籍するまで、カージナルスで、契約の形態もあって、メジャーとマイナーを往復したり、メジャーでも代打や守備固めで使われることが多く、さぞ不本意だろう、と思っていました。
モチロン、田口選手自身も最初からそういう役割を受け入れていたわけではないと思うのですが、メジャーでの「役割を果たす」という意味が、日本での玄人好みなところと似通いながらも、異なるところがあって、表面上、ヒットがでなくて…といった「もうちょっと、ガンバれよ！」みたいな状況であっても、あそこでピッチャーに何級多く投げさせたとか、そういう部分がちゃんと評価されているということで、間違いなく田口選手はカージナルスの欠くべからざる「パーツ」だった訳です。
カイシャでも不本意なポジションで悶々としている人が、少なからずいらっしゃると思いますが、この本を読んでいると、こんなにツラい思いをしても、前向きに自分の「役割」を果たそうとしている人がいたことを知ると、勇気がもらえるかも知れません。
