「食の職」新宿ベルク/迫川尚子

 

「食の職」新宿ベルク: 安くて本格的な味の秘密 (ちくま文庫)
 

 

 ワタクシの中でダントツにNo.1カフェである、新宿駅東口にあるベルクの副店長による本です。

 以前、店長が書かれた本をこのブログでも紹介しましたが、そちらでは店の経営全般と、入居しているルミネからの立退き要請との闘いを中心に書かれているのに対して、こちらはベルクで出されている珠玉の食材について詳しく書かれています。

 ベルクに行かれたことのある方はよくわかると思うのですが、とにかくあそこで出されているモノは安くてウマいんですが、かつ「安全」ということにもこだわられていて、これでもか!と言う位に神経を払われているようです。

 その辺の話を看板商品をつくる食材であるパン、ハム類、コーヒーを納めている「職人」さんたちと語られているのですが、フツーに卸に行って、通り一遍のモノを出すのであれば、飲食店の経営って、そんなに難しいものではないということなのですが、「安全、安価、美味」を成立させるために、ここまでギリギリの「闘い」をされているかと思うとアタマが下がります。

 一般的な日本人にはあまりなじみのないレバーペーストやポークアスピックと言ったメニューでも、どこか懐かしさを感じさせるのは、多くの日本人が失いつつある味覚を呼び起こすからなのかもしれません。

 困ったのが、電車の中でこの本を読んでいる間中、ベルクのジャーマンブランチがアタマにチラついてしょがないんですよね…