スポーツを「読む」/重松清

 

 


 “スポーツライター”ということなんですが、作家の方がスポーツを書かれたものや、スポーツ記者の作品、その他物書きではなかったんですが、スポーツライティングで有名になった人などなど、様々な“スポーツライター”が取り上げられます。

 ただ、“スポーツライター”という言葉が受け入れられるきっかけとなったのが、Numberの創刊で、そこからスポーツをメインとする書き手が出現しはじめ、山際淳司さんや沢木耕太郎さんといった黎明期の作家が出現します。

 そういった人を含めて、作家の方の書きっぷりも紹介されるわけですが、作家である重松さんが「プロ」としてのそれらの“スポーツライター”の方の対象へのアプローチの方法を紹介されていて、今までこの本で紹介されている方々を散々読んだはずのワタクシにとっても、「へえー、そういう意図で書かれてたんだ!」とオドロキでした。

 スポーツを語る、ライターを「語る」というのが非常に面白かったです。

 この本は、2004年のアテネ五輪の辺りまでなのですが、最近の“スポーツライター”に関するモノも読んでみたいですね。