スペインにおいて指導者としてのキャリアを積み重ねている方の指導者向けの本です。
日本人が未だサッカーの強豪と伍して、それほどの存在感を示せていないのは、戦術面の理解不に起因するものだと指摘されています。
それは、代表クラスの選手であっても見受けられるようで、なぜそうなるかと言うと、戦術面での引き出し…この本では、「戦術メモリー」と言われていますが…が少ないからだということで、それは、戦術面のトレーニングを始める年代が強豪国と比べて遅いことと、練習における戦術面に直結したトレーニングが少ないからだ、ということです。
まず、始める年代が遅いということについて、戦術は難易度が高いという認識が日本では多いようですが、スペインでは8歳位でも十分に理解できているから、日本人の子どもが出来ない理由はない、とおっしゃられています。
また、練習における戦術面のトレーニングなんですが、練習と言うのは試合で起こることのリハーサルであるべきで、本番で起こりうることに直結した練習を重ねて、戦術的にどうプレーすべきかということを考え続けることで、「戦術メモリー」の内容が充実していくはずだ、ということです。
昔、トルシエ監督が「日本には守備の文化がない」と言っているのを聞いたことがありますが、坪井さんも同じ指摘をされていて、局面局面における妥当な守備の考え方が著しく不足していて、場当たり的なモノになっているということです。
まだまだ、道は遠いなぁ…と感じざるを得ません…