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ペテン師と天才/神山典士

 

ペテン師と天才 佐村河内事件の全貌

ペテン師と天才 佐村河内事件の全貌

 

 

 ひところ世間を賑わした佐村河内事件の全容を追ったドキュメンタリーです。

 この本を読んでなお不思議なのが、そこまで大掛かりな“ウソ”をついてまで自分を押し出したいと思うキモチって一体何だろうな、ということなんですが、それは一旦置いといて…

 佐村河内氏とゴーストライティングをした新垣氏、更には佐村河内氏が売名のために利用しようとした障害を持った子供までも巻き込んでこの事件が展開していくわけですが、佐村河内氏の野望はともかくとして、なぜ新垣氏が唯々諾々と佐村河内氏に従っていたかが、事件のことを聞いた当初不思議だったんですが、この本を読むとその辺についてはなんとなく理解できます。

 会見で自らを“共犯者”としていた新垣氏ですが、当時バブル後の影響を大きく受けたクラシック界において、名もなき作曲家である新垣氏が、自分の名前で発表するわけでないにしても、自分の作曲したモノが一流のオーケストラによって命を吹き込まれるという“欲望”に勝てなかったということは理解できますし、ウマく佐村河内氏に付け込まれたなあ…という気がします。

 あんまり教訓めいたことが抽出される訳ではないんですが、あまりに面白くて、300ページ余りの本をイッキに読んでしまいました!(笑)