昨日に引き続き、ラグビー日本代表元HCのエディさんに関する本ですが、昨日の本が、テストマッチの結果など表に現れた部分を中心に取り上げられていたのに対し、この本は、W杯に向けてどういう準備をしてきたか、ということを中心にした、インサイド・ストーリーといった感じの内容になっています。
この本を読んでエディさんがホントにスゴかったんだなあ、と感じるところは、W杯で結果を残す国と、エディさんがHCに就任した当時の日本代表の状況を比較して、追いつくために必要なことというのを、かなり細かい要素にまで落とし込まれていて、それを4年かけて、あたかもパズルのピースをハメていくかのようにチームを作り上げて行かれたところでしょうか…
例えば、若手の起用とかって、どの競技でも言われますが、逆に経験値とのバランスも考えなくてはいけません。
そんな中で、W杯で勝ち進むようなチームの選手全体のキャップ数(代表としての出場試合数)が600は必要だということを頭において、期待の若手を早めに招集して経験を積ませるとか、可能性のあるベテランの状態もチェックしておくなど、客観的な基準に基づいて、若手とベテランのバランスを考え、長いスパンで計画的に選手の招集をしていたんだな、ということです。
また、限られた時間の中で「捨てる要素」も明確にしていて、スクラムとラインアウトを専門のコーチを呼んで強化する一方、サイズのない日本代表にとって強化が難しいモールに対するディフェンスをある程度「捨てた」ところも、フツーの指導者にはなかなかできないことなんじゃないかな、と思います。
昨日と似た感想になりますが、2019年に向けて、ここまでのことが出来る人って、いるのかな?