食品の安全に関する著作で大活躍中の河岸さんの最新刊です。
概ね既刊の著作で触れられている内容なんですが、何度読んでも戦慄を禁じ得ません。
我々消費者が、何が何でも安いものを!と躍起になったのを受けて、供給側は本来何よりも優先すべきである“安全”を蔑ろにして、すでに久しい時が経ってしまい、最早引き返せないんじゃないか、とすら感じます。
特に、意識無意識は別として、“安全のゲートキーパー”の役割を果たしていたプロの料理人を、コストが上がるからということで、作業を簡易化することで放逐した結果、「基本のキ」の部分すら知らないアルバイトが、作業をすることで、安くはなるけれども、最悪“生命の危険”というカタチで帰って来てしまっているようです。
確かに、安くて美味しいものを食べたいというのは偽らざるとことなんですが、モノには値ごろ感というものがあり、決してそれを超えたものを欲しがってはいけない、ということを忘れないようにしたいものです。