コンビニ難民/竹本遼太

 

 

 エコノミストの方が書かれたコンビニを取り巻く状況に関する本です。

 最近は、物販だけでも頻繁に利用する人が多いコンビニですが、行政サービスや宅配便の受け渡しなど物流サービスの一環まで担うようになり、その利便性が大幅に向上するのに伴い、その重要性が一層際立って来ているようです。

 この本のサブタイトルにもあるように、先頃の熊本大地震でも、最早コンビニが「ライフライン」としての役割の一端を担っていると言っても、大げさではないことを証明したといえます。

 だからこそ、全国津々浦々にコンビニのネットワークが広まっていくことが望まれる訳ですが、都市部ではやたらと見かけるコンビニであっても、過疎地などでは、市町村に1つもない、というところも、まだまだ見受けられて、その拡充が求められています。

 特に、近年ではコンビニが高齢者の生活の利便性を向上させる上で、大きな役割をになっており、そういう方々が徒歩で行ける、自宅から300m以内のところにコンビニが無いという人々を、この本では「コンビニ難民」と定義しているということです。

 この本では、状況のレポートというところにとどまっていますが、これを見て何らかの対策が取られることが期待されます。