「社長力」養成講座/小宮一慶

 

 

 かなり久々に小宮さんの本です。

 一時、集中して読みすぎたせいで、食傷気味だったのですが、やっぱりこの人のおっしゃることはいいですね。

 ひところ、かなりの数を出版された『「○○力」養成講座』シリーズの1冊なんですが、かなり後期に出されたモノで、ベスト版と言うか、それまで出された本のエッセンスを集結して…という趣旨もあるようで、既刊の「○○力」を参照してください…的な記載が目立ったのはご愛嬌ということで…

 まず冒頭で、「社長」というと「管理」をする人だと捉えられている方が、社長をされている方でもいらっしゃるようですが、それはミドルマネジメントのやることで、トップとしては会社の進むべき方向性を示すことが、他にはできない最重要の仕事だということです。

 そういった感じで、「××ではなく、○○」といったトーンで様々なトピックが取り上げられます。

 最近、会計上の粉飾や、性能データの改ざんなどといった不正が頻発していますが、そういうことって、トップである社長が目的と手段をはき違えていることから起こるようで、決して「数字合わせ」が社長の仕事ではなくて、如何にその会社に関係する人に「幸せ」になってもらうか、という大目的に向けて、どうやっていくか?という本分を忘れていなければ起こらないことなんじゃないかな、とこの本を読んでいて感じました。