第二言語習得論に基づく、もっとも効率的な英語学習法/佐藤洋一

 

 

 大学で教鞭をとられながら、企業向けに英語学習のコンサルティングをされている方の本で、内容はタイトルのまんまです。(笑)

 この「第二言語習得論」って言うのは、欧米で進化した第二外国語の習得法に関する研究で、日本での英語習得に関する研究より余程進んでいるようで、その方法論を日本人の英語習得にも活用しようと提唱されているのが、この本の趣旨です。

 その理論におけるプロセスとして、

  1. 文法のコアを理解する。
  2. 十分な量のインプットをする
  3. 「受信型」から「発信型」に切り替える
  4. 「発信型」から「相互理解のための言葉」に切り替える
  5. 自分の言葉をモニタリングする方法を身に付ける
  6. 学習方法をカスタマイズしながら、学習を継続する

といったカタチで、スキルを伸ばしていきます。

 1.~3.までは一般的に日本で紹介されている英語学習のプロセスでも言われるところ(でも大体、2.をやっているうちに挫折してしまうのですが…)なんですが、「4. 「発信型」から「相互理解のための言葉」に切り替える」の提唱が日本の外国語学習者にとっては、目新しいですし、結局これまでコミュニケーションができなかったのは、意識してこういったステップに進まなかったからなんじゃないかとも思えます。

 3.が「スピーチ」ならば、4.が「プレゼン」と例えられていますが、「相手」がいることをキチンと意識した上で学習に取り組むことが、意外と忘れられているということを指摘されているようで、まさに目からウロコでした。