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経営学/小倉昌男

 

小倉昌男 経営学

小倉昌男 経営学

 

 

 “宅配便”生みの親のヤマト運輸元社長である小倉さんの著書です。

 先日紹介した井上達彦さんの『模倣の経営学 (日経ビジネス人文庫)』でも紹介されていましたが、個人向けの小荷物の配送事業という、当時の業界の常識からいうと狂気とも言える、前例のない事業に乗り出すにあたって、他業種に見習えるものはないかということを様々な観点から探っておられます。

 まずは同業種であるUPSのイギリスにおける宅配事業の展開を見て、日本でもイケるという感触をつかみ、それまで積極的に事業の多角化を行っていたのを、吉野家のメニューの絞り込みを見て事業の「選択と集中」を行い、宅急便のインフラ作りの過程で航空業界の“ハブ・アンド・スポーク”を参考に効率的な配送ネットワークを形成するなど、柔軟に異業種の成功事例を取り入れているところに驚嘆します。

 こういう大胆さと周到さを兼ね備えたところが、前例のない事業であっても緻密に方策を練った上で大勝負に出るという、一見相反した戦略を打ち出して成功を収めたんでしょうね。