劣化するシニア社員/見波利幸

 

劣化するシニア社員 (日経プレミアシリーズ)

劣化するシニア社員 (日経プレミアシリーズ)

 

 

 職場のメンタルヘルス関連の著作も多い方の本なんですが、シニア社員の問題を扱ったモノです。

 定年を65歳まで延長しようという施策を進める中で、企業側としては人件費負担との折り合いの中でできたムリヤリ感の強い制度だという印象が強いんですが、それだけに現場では様々な歪みが出ているようで、会社側から見てもシニア社員側から見ても、不満の要素が噴出しているようです。

 その軋轢についてシニア社員を6つにカテゴライズして、それぞれの類型に当てはまる人たちが、どういう軋轢を生みだしているかについて語られています。

 いずれにせよ、会社側もシニア社員側も、シニア社員の腰掛感が過度に印象付けられていて、もうちょっとキチンと制度設計をしないと、どちらも不満を募らせたままになってしまいかねません。

 過渡的な制度なのかもしれませんが、この投げやり感の強い制度が続くようだと、いろんな意味で「資源のムダ遣い」としか言いようのない状態で、何とか双方が納得できるようなところを見出さないと、お互い不幸やなぁ…という感じです。