未到/岡崎慎司

 

未到 奇跡の一年 (ベスト新書)

未到 奇跡の一年 (ベスト新書)

 

 

 2015-16シーズンのイングランド・プレミアリーグで奇跡の初制覇を果たしたレスターシティでの1年目を岡崎選手自身が語ります。

 岡崎選手はプロになった当初コーチから、海外のサッカーを見るように勧められて、いろんな国のサッカーを見た中で、プレミアリーグのサッカーに魅せられて、いつかプレーをしたいと思うようになったということですが、その夢を果たした1年目で、自身にとっての初タイトルを手にするという、まさに「おとぎ話」ですが、岡崎選手にとっては葛藤に満ちた一年でもあったということです。

 というのも、ドイツのマインツでチーム得点王となる活躍を見せ、点取屋としてのプレーに手ごたえを感じつつあった中でのプレミア移籍だったのですが、同僚のストライカーであるヴァーディが大爆発の陰で、そのヴァーディへの献身的なサポートで評価を高める一方で、ストライカーとしてのプライドとのせめぎあいの中で、かなり思い悩んだ様子を語られます。

 「優勝しても素直に喜べないだろうなあ…」と思っていたと告白する岡崎選手でしたが、自身にとって初となる…しかも望外の!…タイトルは、素直にうれしいものだったようで、救われたんだな、という気がします。
 
 でも、岡崎選手は既に次を見据えていて、献身的にチームのために走り回りながらも点が取れる選手になる、という新たなスタイルの確立を目指しているようです。

 2016-17シーズン、さらにはロシアW杯でも、岡崎選手の大爆発が見れることを祈って…