元東京農大の箱根ランナーで、駅伝を中心に取材をするライターである酒井さんの最新の著書です。
2017年の箱根駅伝は青山学院の3連覇で終わりましたが、この本はレース直前に出版されたもので、戦前、今回のレースから5区が2.5Km短縮され、その分4区の距離が延びるということで、その影響で各大学の戦略がどう変わるのか、ということが取り沙汰されていました。
あんまり駅伝に興味がない人からしたら、どうせ全体では同じ距離を走るんだから大差ないでしょ、と思われるんでしょうけど、5区が23Kmあった時は、相対的にその比重
が大きくなり、5区に「山の神」と呼ばれる抜きんでたランナーが出ることで「5区を制すれば、箱根を制す」とも言われ、如何に5区の対応をするかということの比重が上
がり過ぎるということと、5区を走るランナーの負荷が高過ぎるということで、元のカタチに戻ったということです。
で、この本が予測していた影響は…
・「花の2区」が名実ともにエース区間に戻る
・4区の比重が高まり、「準エース区間」に戻る
・5区は「山登りのスペシャリスト」が復活する
ということですが…
実際今年の箱根がどうだったかと言うと…
・2区ではエース級が集まったが、有力校のエー
ス級が不発で、伏兵が活躍したものの、大勢
には影響がなかった
・5区では「山登り」を期待された「スペシャリ
スト」たちは不発で“つなぎ”の意識が功を
奏した。
ということで、イマイチ当たりとは言えなかったようですが、4区では青山学院の秋山選手が快走を見せ、原監督から“湘南の神”と称されましたが、後から見るとここでの活躍が青山学院総合優勝の大きな流れを作ったことをみると、ここは当たりだったかな、という感じです。
ワタクシ実は、2012-15年に明治大学で箱根を走った有村選手の遠い親戚で、ワタクシ自身もマラソンを走ることから、俄然箱根駅伝に興味を持ったのですが、ただのリレーマラソンかとおもいきや、この本にもあるように、勝つための戦略が複雑に絡み合った展開に魅了されて、有村選手が卒業した後も、すっかりハマってしまって見続けています。
みなさんもこの本を参考に、来年の箱根を見てみませんか?
スポーツのウンチクを語るのが好きな人は、間違いなくハマりますよ!