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宗教からよむアメリカ/森孝一

 

宗教からよむ「アメリカ」 (講談社選書メチエ)

宗教からよむ「アメリカ」 (講談社選書メチエ)

 

 

 「知の怪人」佐藤優さんの推薦図書ということで手に取ってみました。

 日本人からするとアメリカはそんなに宗教色の強いイメージはない人と思う人が多いんじゃないかと感じていますが、アメリカ社会のそこかしこにキリスト教の影響が息づいているようです。

 そもそも、ヨーロッパのカトリックからの迫害を免れて、アメリカ大陸に渡ったプロテスタントの一派であるピューリタンを中心に建国されたアメリカは、にも関わらずなのか、だからこそなのか、キリスト教を「国教」とせずに、信教の自由を保障することを選びます。

 でも、だからといってキリスト教の影響が低下するわけではなくて、多民族国家の統合の象徴としてキリスト教が機能しているということです。

 政教分離のヤカマシイ日本ではちょっと考えにくいのですが、大統領の就任式など、国家の式典にキリスト教の儀式に基づいたものが見られるように、国政においても宗教色が排除されておらず、むしろ積極的にそういうものを利用しているようです。

 あと、モルモン教を始めとするアメリカにおける新興宗教についても紹介されていますが、その多くはキリスト教の教義に対抗するものではなく、むしろその「純化」を志向したものが多く、アメリカの信仰の厚さこそがアメリカを国家として成立させているんだ、ということを印象付けられた本でした。