サッカーと愛国/清義明

 

サッカーと愛国

サッカーと愛国

 

 

 「愛国」とありますが、どっちかというとネガティブな意味での「ナショナリズム」の裏返しとしての「レイシズム」が大きなテーマになっているような気がします。

 まずは、韓国の蚕室スタジアムで旭日旗を掲示した「事件」とロンドンオリンピック男子サッカーの韓国vs日本の3位決定戦後、竹島問題に関するプラカードを選手が掲げた件について取り上げられます。

 決してどちらもバリバリのナショナリストの所業だった訳ではなく、片や目立ちたがり屋の暴走だったり、片や偶発的な側面の否めないものだったりします。

 とはいえ、そういうホンのちょっとした(と思える)ことをキッカケに長期の紛争にまで発展したこともあり、サッカー界ではこういったナショナリズムを非常に警戒しています。

 ただでさえナショナルチーム同士の対戦では、そういうナショナリズムに「点火」されやすい状況でもあるので、パッと見、極端なまでの抑止が必要なんだと思えます。

 さらにレイシズムですが、これはナショナリズムのダークサイドの1つだと思うのですが、イングランドのフーリガニズムも、レイシズムが重要な論点だったということであり、サッカーにおける暴力と直結する要素があるということと、人間としてやっちゃいけない、ということもあり、徹底した対応が必要なようです。

 そういう意味で、埼玉スタジアムで掲示された“Japanese Only”という横断幕に対して、断固たる対応をとったクラブおよびJリーグの対応は評価すべきことだと思います。

 純粋にサッカーというスポーツを楽しむためにも、今後とも断固たる抑止力を、我々ファンの間でも発揮しないといけないようです。