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これからの「正義」の話をしよう/マイケル・サンデル

 

これからの「正義」の話をしよう (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

これからの「正義」の話をしよう (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

 

 

 非常に話題になった本ですね。

 「正義」についての話なのですが、「正義」というのが如何に相対的なものなのか、ということについての話が400ページ余りにわたって続きます。

 まず、一方の方法をとると5人が犠牲になってしまうのに対し、もう一方の方法をとれば1人犠牲になる…その時に後者の方法を取ることが「正義」なのか?

 そのお話に始まって、積極的にマイノリティの支援を行うこと、国家が過去の行為の謝罪や賠償をすること、一見、倫理的に問題のありそうなことについての行為をすることの自由を確保することなどなど、我々の道徳的な観点で言うと到底許容しがたいことであったとしても、ある観点から見れば、論理的な合理性があり、かつ社会的な意義もあったりするわけです。

 しかも、その「道徳的」であることが、いつの時代でも、世界中のどこにおいても通用する普遍的なものかと言えば、大体の場合は、ある時代の特定の地域にしか通用しないことも多いんじゃないかということもあります。

 だったらどの手段をとればいいのか…と途方に暮れてしまいかねない部分もあるのですが、道徳的な部分だけを見て、後の側面を無視して判断をするのではなく、ちゃんと観点からの考慮をした上で判断することが必要なのではないか…ということを留意しておかないといけないようです。