さらば、ヘイト本!/大泉実成・加藤直樹・木村元彦

 

さらば、ヘイト本!  嫌韓反中本ブームの裏側

さらば、ヘイト本! 嫌韓反中本ブームの裏側

 

 

 イビチャ・オシムのバイオグラフや旧ユーゴスラビア紛争関連の著作で知られる木村元彦さんが絡んでいるから、と言うことで手に取ってみたのですが、何とも情けない想いの募る本です。

 というのも、最近は多少下火になっているものの、2015年初頭まで、韓国や中国を排斥する内容の、いわゆる「ヘイト本」がベストセラーの上位を占めるという現象がありました。

 反韓・反中は、むしろ両国の反日の動きが招いたものだ、という主張があるかもしれませんが、こういった風潮の中で出版され、一部はベストセラーにすらなった「ヘイト本」は、ただ単に怪しげな出版社の売らんかなの煽り文句に乗せられ
た、根拠の乏しいモノであることが多く、そういう煽りに乗ってヘイトスピーチが盛り上がってしまったという側面もあるようです。

 最近何かやたらと日本国民の国民の高さを誉めそやして、気配りだのおもてなしだのと、精神性を賛美する文句が目につきますが、こんな「ヘイト本」がベストセラーになる国の何が「おもてなし」なんだか!?と思うと悲しくなります。

 くれぐれも皆様が、こんなモンに乗せられることがありませんように…