カレーライスの謎―なぜ日本中の食卓が虜になったのか (角川SSC新書)
- 作者: 水野仁輔
- 出版社/メーカー: 角川SSコミュニケーションズ
- 発売日: 2008/05
- メディア: 新書
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この方「東京カリ~番長」という、イベントなんかでカレーを出張提供する組織の「調理主任」ということで、カレーについての本を書かれたということのようです。
元々そこまでカレーにハマるだけあって、本格的なカレーへの傾倒が強く「おふくろのカレーが一番!」と世間でよく言われるフレーズに相当反発されていたそうなのですが、ふとしたキッカケでバーモントカレーを推奨のレシピ通りに作って食べてみたら、その美味しさに衝撃を受けたようで、その経験を通してこの本を書かれたようです。
この本は日本におけるカレーライスの変遷を辿っていく内容なのですが、その普及において決定的な役割を果たしたカレールーについての記述が大部分を占めます。
元々インド料理には、現在我々が食べているようなカレーライスと言ったカタチの食べ物は無いそうで、カレーライスの原型となったのは、インド料理を手軽に食べられるようにとイギリスで開発されたカレー粉だということです。
その後日本にカレー粉が入ってきて、カレールーが開発されるのですが、このルーの出現がその後のカレーライスの普及に大きく貢献したということです。
というのも、カレー粉や小麦粉を混ぜて、味付けをして…と言うのがかなり手間がかかるということで、それらを混ぜたルーを煮込んだ材料に混ぜるだけで、誰でも安定してそこそこおいしいカレーを作ることができるということで、主婦に受け入れられたことが大きいようです。
結構懐かしいのが、カレールーの商品の変遷で、バーモントカレーやジャワカレー等々、ムスメ達が小さい頃、やたら家で出てくるカレーが甘くてストレスだったなぁ…などと思い出しながら…
こういう多くの人の人生のターニングポイントを象徴するような出来事を思い起こさせるカレーは、まさに日本人の「国民食」なんだなぁ、と実感させられる本でした。
さあ、今からカレー作ろっと!