まずいラーメン屋はどこへ消えた?/岩崎夏海

 

 

 『もしドラ』の岩崎さんによるイノベーション論です。

 タイトルの意図は、ネットが普及する以前の社会だと、多少問題のあるラーメン屋でも近所にあれば、それなりにお客さんは入っていたんだけれでも、食べログなんかの普及で、ある一定の基準に満たない店は、ディスられて、その悪評ゆえに客足が絶えてしまうということで、ライバルも比較的広域になってしまうということです。

 そんな中で生き残ろうと思ったら、絶え間なくイノベーションを起こしていかないとダメで、一度イノベーションを起こしても、そこに依存していたらダメだということでコダックソニーの事例を「イノベーションのジレンマ」の例として挙げられています。

 逆に、そういう好例として挙げられているのがアップルで、例えば、iPodイノベーションの一例ですが、その売上を損なってしまいかねないiPhoneを敢然と開発するなど、継続的なイノベーションへの取組を絶賛されています。

 言ってみればこの本は『もしドラ』の種明かしで、『もしドラ』出版の経緯についても触れられています。

 『もしドラ』を読んだ人は、それにとどまらず是非、この本まで手に取ってもらいたいと思います。