先日紹介したちきりんさんとの対談本で深遠な発言を再三繰り出していた、世界一のプロ格闘ゲーマーの梅原さんの半生記です。
まあ、対談本での発言の「深さ」はちきりんさんに引き出された部分もあったようで、この本ではそこまでの「深さ」は発揮されていませんが、やはりある世界でトップを極めた人ならではの「哲学」を感じます。
梅原さんが世界一になった頃、日本にはプロのゲーマーはいなくて、梅原さん自身、プロになるという発想はなく、いくら頂点を極めたと言っても、何一つ成し遂げたという感覚に苛まれ続けて、一時は完全にゲームから離れてしまったようです。
復帰をしてから、依然と変わらぬ実力で勝ち続けたことから注目されて、プロになるよう誘われて、ようやく「ゲームをやってていいんだ」と感じられたということです。
梅原さんのスゴイところは、一旦勝っても、平然とそのスタイルを捨てて、新たな取り組みをするところで、やっぱり同じ闘い方に固執する人は、一旦は勝ててても持続することは難しいようです。
こういうストイックな人が居られると知ると、ゲームも捨てたもんじゃないなあ、と感じます。