夢、死ね!/中川淳一郎

 

 

 以前、『謝罪大国ニッポン (星海社新書)』を紹介した中川さんが「自己実現」のウソを語ります。

 この本は大きく分けて以下の3つのパートで構成されています。

 1. 「夢」に見切りをつけることの重要性
 2. 職場で起こるバカバカしさ
 3. それでも仕事をすることの素晴らしさ

 まず1つ目は、最近特に若い層において「夢」を追い続けることの重要性が強調されることが多いのですが、周囲から見ればどう考えてもムリだろ!?と思えることを、わずかな(っていうか、そもそもあり得ない)可能性にすがって、いつまでもモラトリアムに閉じこもる人が多いということで、見切りをつけることの重要性を語ります。

 2つ目は、ご自身の広告代理店勤務時の経験を元に語った内容で、カネを出す側って、無限に理不尽になれて、また日本の多くの会社員はそれに応えてしまう…それは、日本の会社員の多くの行動の動機が、如何に怒られないようにするか、ということに終始しているからだと指摘されます。

 最後のパートは、それでも如何にヒドい目に遭おうとも、共に闘う「同士」がいることの意義を語られます。

 読んでいる最中は、とっ散らかった本だなぁ…と感じましたが、「自分探し」に逃走するよりも目の前のことを着実にこなすことによる成長、という側面を見逃すべきじゃない、とおっしゃりたいのかな、ということを感じました。

 それにしても2つ目のパートの、ありがちでムカムカしながらも、あまりにもオモシロくて、一気に読み進めてしまいました!(笑)