ヘスス・スアレスさんとの共著を、このブログでも立て続けに紹介してきた小宮さんの単独での著書を紹介します。
あとがきに触れられているのですが、小宮さんはこれまでのサッカーライターとしてのキャリアにおいて、勝ったからホメる、負けたからケナすということではなく、負けたからと言ってもよかったところはホメる、勝ったからと言ってもダメなところは指摘するための自分の中のブレない基準を持とうとされてきたということですが、ある意味集大成的に書かれたのがこの本のようです。
どんなことでもある程度当てはまるんでしょうけど、丸いボールを足で扱うという不確実性の高い協議特性からか、他のいかなるモノと比べても、不変の成功法則と言うモノが極端に少ないのがサッカーのようで、つい数年前まで隆盛を極めたバルサの成功法則を世界中のチームがマネようとして失敗したのが象徴的です。
でもだからと言って、あるところで失敗したからと言って、同じような方法論を用いて他のところで成功するということもありえるのが面白いところです。
だからサッカーの世界で成功するには柔軟性が必要なワケですが、逆に確固たるポリシー無きところに成功は覚束ないというのも多くの場面で当てはまるようです。
そういう矛盾に満ちているがゆえに、我々はサッカーに魅せられてやまないのかもしれません。