コーランを知っていますか/阿刀田高

 

コーランを知っていますか (新潮文庫)

コーランを知っていますか (新潮文庫)

 

 

 3日連続で阿刀田さんの『~を知っていますか』シリーズです。

 個人的には旧約聖書新約聖書以上に馴染みのないコーランですが、意外にこれらの関連があることに驚きました。

 というのも旧約聖書新約聖書に出てくることに関して、アラーの神はそういう風に預言者を現世に遣わせて世の中がよくなるように計らったのに、ちっとも改善しなかった…だから預言者マホメットに自身の意思を正確に伝えたのがコーランだということで、言ってみれば“聖典の決定版”という位置づけのようです。

 ただ旧約聖書新約聖書が物語性が強いのに対し、コーランはアラーの神からの日々の生活への戒めみたいなものが多くて、正直読み物としてオモシロくないということが指摘されています。

 まあ別にコーランは“読み物”であることを意図しているワケではないので仕方ないのですが、更にイスラム教では偶像崇拝も厳に戒めており、そういうストイックな姿勢って、宗教の布教においては障害になるんじゃないかと思うのですが、それでもあれだけ広まったということが不思議であり、それだけの恩恵があるんだろうなあ…と漠然と感じます。

 確かに随分わかりやすかったのですが、それでも依然としてあまりイスラム教のイメージが自分の中にデキていない感じです。