諏訪中央病院名誉院長で時折メディアでもコメンテーターとして出演されている方の著書です。
昨今、貧富の格差の拡大など資本主義の限界が取り沙汰されていますが、かといってそれに代わる有効な処方箋が見出せているわけでもなく、どうすればいいんだ?という状況が広がっているワケですが、この本で鎌田さんがおっしゃっていることが一つのヒントになるかも知れません。
この本は、今や悪名高き迷走の民主党政権時代の2010年に出版されて、出口無きデフレのドン底の時期だったのですが、そんな中でもただ資本主義の悪いところを重箱の隅をツツくワケではなく、過度な競争を回避するとか、競争に敗れたモノへのセーフティーネットを確保するといった、運用面を改善することにより、より健全な社会を実現しようということを提唱したものです。
かなりバランスの取れた議論だという印象があって今なお有効な処方箋になり得るんじゃないかと感じるのですが…
ということで、「血の通った」経済が実現することをいのるという、今年最後に相応しい記事となりました。
今年も2014年以来続けている毎日の更新を達成することができました。
来年もボチボチ気になった本を紹介していきますので、引き続きご愛顧の程、よろしくお願いします!