応仁の乱/呉座勇一

 

応仁の乱 - 戦国時代を生んだ大乱 (中公新書)

応仁の乱 - 戦国時代を生んだ大乱 (中公新書)

 

 

 2017年上半期に大きな話題となった本をようやく手に取りました。

 応仁の乱と言うと、その後に戦国時代を引き起こし、日本史の中でも底辺の層の人々が歴史に登場することになるエポックメイキング的な出来事だったにも関わらず、あまりそれ自体に明確な意義付けがされていなかったんじゃないかという問題意識から書かれたということです。

 元々、足利将軍家のお家争いに端を発した騒乱と言われていますがそれだけではなくて、様々な痴話ゲンカが絡みに絡んで、最後にはグダグダになってしまったというのが実情のようですが、元々あまり厳格な統治機構を持たずに運用面で持っていたというのが室町幕府の実情のようですが、そういう運用面すら機能しなくなって、崩壊へのカウントダウンの契機となったのは確かなようです。

 ただ、この騒乱をキッカケに一揆などの民衆が自らのアクションが事態を動かすことができるんじゃないかということに気づいたということが、日本における近世の幕開けを導いたということで、やっぱり意義深い出来事だったんだなぁ、ということで…