知性を磨く/田坂広志

 

知性を磨く― 「スーパージェネラリスト」の時代 (光文社新書)

知性を磨く― 「スーパージェネラリスト」の時代 (光文社新書)

 

 

 ビジネス本を手掛ける著者の中でも、ひときわ深遠な内容の本を手掛けられることの多い田坂さんですが、この本は実務的なモノと哲学的なモノの中間位の位置づけになるんでしょうか…

 よく「知識」と「知能」、「野心」と「志」など、似て非なるモノを対比しながら「スーパージェネラリスト」と言われる、様々な分野のエキスパート達をも束ねて同じ方向に進ませるようまとめていけるような人材について語られます。

 そんな中で再三「現場」の重要性について語られますが、いくら頑張って「知識」をかき集めたからと言って、経験がなければその「知識」を役立てることができない…経験を踏まえて「知識」を生きたものとして活用できるような「知恵」を積み重ねて行き、結果として「知性」を持つようになることが「スーパージェネラリスト」の第一歩のようです。

 その上で、自分が成し遂げたい、社会的な意義のあることの実現を「志」すことで、多くの人と同じ方向を見ることができるようです。

 ワタクシにとっては遥か彼方の境地ですが、せめてそういう人を応援できる立場になれたらなぁ…と思わせる本でした。