W杯「裏表」ヒストリー/牛木素吉郎

 

 

 1970年メキシコ大会から、ずーっとサッカーW杯を取材し続けている方がブラジルW杯直前に出版された本です。

 ワールドカップの始まりから歴史、サポーターとしての楽しみ方まで、W杯に関する情報が満載です。

 最初の方で、W杯がここまでの成功を収めるようになった秘訣について、オリンピックと対比して居られるのですが、分散開催にすることによって過度の設備投資が避けられたことや、出場国の費用負担を入場料収入に賄うようにしたことなどを挙げられていて、結構戦略的にシステムが構成されてきたようです。

 また、牛木さん自身が自腹で取材していた時期もあったということもあって、チケットの入手や現地でのホテルや交通手段の確保についても、痒い所に手が届く程の情報量です。

 ベテラン記者のモノとは思えないほど、ざっくばらんにW杯を楽しむ同士としての情報を提供してくださるといった姿勢に好感が持てる本です。