世界一子どもを育てやすい国にしよう/出口治明、駒崎弘樹

 

世界一子どもを育てやすい国にしよう

世界一子どもを育てやすい国にしよう

 

 

 出口さんが、病児保育などを手掛けるNPOの代表である駒崎さんとの子育てを始めとした日本の社会の問題についての対談をまとめた本です。

 幼い子供を持つ夫妻に取って深刻な問題となっている保育所の待機児童の問題ですが、お二方は政治・行政の腹のくくり方が足りないだけで、本気になれば確実に解決できる問題のはずだと一刀両断されます。

 というのも、義務教育である小中学校では“待機生徒”なんていないでしょ、って…そう言われてみればそうですよねぇ…

 待機児童問題に限らず、惰性だったり、既得権益に捉われたりして、プレーンに見れば間違いなく解決できる問題なのに、不合理な制約で社会的に大きな損失を招いていることが、非常に多いということを指摘されているのですが、そんなことを見ているとバカバカしくなってきます。

 でも、それは我々自身にも問題があって、ちゃんと働きかけの努力を怠らないことが重要だと指摘されています。

 少なくともちゃんと投票行動を怠らないということなんですが、その前提として投票の効果に関するリテラシをつけるということで、そういうところから確実に社会は変えていけるんだということを聞くにつけ、ちゃんと自分たちの行動で解決につなげることができるんだ、という希望を抱かせてくれる本です。