NHKで報道に携わって来られた方による報道に関する本です。
報道の中でも、「調査報道」という取材側が主導しての報道を中心に語られるのですが、ニュースソースからの情報の提供を元にした「発表報道」と比較して近年「調査報道」の割合が顕著に下がって来ているということです。
それが意味するところは、ジャーナリストが自主性というか、自らが主導した報道が減少してきており、ジャーナリズムの斜陽があるんじゃないかと指摘されています。
かつて「調査報道」というメディア側主導の報道の成功例ということで、田中角栄元首相を辞任に追い込んだ「田中金脈報道」をトレースされているのですが、最近は安倍首相にすり寄った報道姿勢が取り上げられているのですが、田中金脈報道の時には権力を恐れずに報道に至った姿勢を紹介されています。
最近だと「調査報道」なんていうと、「文春砲」なんて単なるスキャンダル狙いに終始していて、何とか権力の不正を正すような姿勢がでてくればいいんですけどねぇ…