常識の超え方/池田純

 

 

 2011~2016年に渡りDeNAベイスターズの球団社長を勤められて、球団の収益を大幅に改善すると共に、万年最下位の球団を球団史上初のCS進出への道筋をつけた池田さんの著書です。

 DeNAベイスターズを買収して池田さんが球団社長に就任した当初、球団経営に関する何らかの“教科書”的な書籍があるんじゃないかということで、色々と探されたようなのですが、そういうものは存在せず、球団社長を退くにあたって、池田さんが就任当初に求められていた“球団経営の教科書”を意図して書かれたということです。

 従来、球団経営というと親会社のPRのためにあるもので、赤字を垂れ流しても親会社が穴埋めすればいいや、というモノで、文字通りドンぶり勘定だったのですが、池田さんはマーケティングなどの企業経営のセオリーを球団経営に適用して、球団単独での経営を成立させたということで、大きな功績と言えます。

 更に池田さんは“スポーツビジネス”の定着を強く意図されており、スポーツが既存の企業の支援から脱却して独立したカタチで経営が成り立つようにすることで、より豊かなスポーツ文化が根付くのではないかということで、Numberが主催されているセミナーなどでも啓蒙活動を継続されており、その活動の成果が実り豊かなものになることを祈って止みません。