部活があぶない/島沢裕子

 

部活があぶない (講談社現代新書)

部活があぶない (講談社現代新書)

 

 

 昨今、部活において顧問のセンセイの行き過ぎたもしくは不適切な指導が元で、生徒が心身に取り返しのつかない“傷”を追ってしまう、さらには命を落としてしまう事例が多発しているようです。

 センセイの側はセンセイの側で、部活の顧問なんてほとんどボランティアに近い状態でロクに休みも取れず、授業に支障を来してしまう事態にもなっているようです。

 親も、自身がキビシイ指導を経験した人ほど、顧問よりも自分の子供がガマンすべきだと子供を責めたり、勝てるように顧問や学校にプレッシャーをかけたりすることもあるようです。

 ということで、かなり“ブラック部活”を形成する“負のスキーム”がガッチリ出来上がっていて、なかなか解決は難しそうです。

 確かに部活を通して経験できる、仲間との連帯、協調性の形成などといったモノは尊いモノがありますし、ワタクシ自身もムスメたちが運動部で活動してくれることを好ましく思っていますが、だからと言って子供たち自身の心身や学業、顧問のセンセイの本来の業務やプライベートを犠牲にしてまで追い求めるべきものではないはずです。

 さらには、そこまでギチギチやらなくても勝てるということを、例えば箱根駅伝で3連覇を成し遂げた青学駅伝部のような事例もあり、創意工夫を凝らして、皆がシアワセになるようなスキームを追い求めるべき時に来ているのかも知れません。