謎解き日本近現代史/野島博之

 

謎とき日本近現代史 (講談社現代新書)

謎とき日本近現代史 (講談社現代新書)

 

 

 こちらも佐藤さんの『牙を研げ』の中で推薦されていた日本の近現代史の本なのですが、実は昨日著書を紹介した加藤さんのご主人の著書らしいです。

 で、昨日の東大の講義と変わって、著書の野島さんが予備校で教えられているということもあって、受験のために歴史を学ぶ予備校生がターゲットとなっているようです。

 受験のための歴史であっても「なぜ」こうなるのかという視点を以って学んでほしいという意図で日本の幕末以降の歴史を9つの問いに答えるカタチで紐解きます。

 確かに歴史的な事象について、こういう背景があったからこうなったんだよ、ということを理解することで受験的には記憶の定着に役立つでしょうし、受験のためだけではなく、その後の人生における教訓にもなるということで意義深いモノだと思います。

 ただ2つ不満な点があります。

 1つは予備校生が対象だから仕方がないのかも知れませんが、背景の掘り下げが浅すぎるんじゃない?っていうところで、2つ目は個々の“謎”が独立しすぎていて、歴史の大きな流れを感じにくくなってしまっているところです。

 この2つを満たしていれば、スゴい本だったかも知れないのに…オシいっ!!