ふしぎなキリスト教/橋爪大三郎×大澤真幸

 

ふしぎなキリスト教 (講談社現代新書)

ふしぎなキリスト教 (講談社現代新書)

 

 

 さらに『牙を研げ』の推薦図書が続きます。

 欧米人の思考のベースを知るためにキリスト教のことを知ることが重要だということを佐藤優さんは再三強調されていますが、この本は社会学者の大家であるお二人が、そういったキリスト教徒の思考のベースとなる部分について語られます。

 構成としては、大澤さんが、宗教社会学を専門とする橋爪さんにちょっとイジワルなモノも含めて質問するといったカタチで構成されています。

 そもそも一神教多神教の違いについては、よく指摘されるところですが、キリスト教イスラム教といった世界の大多数を占める宗教が一神教であり、かつ日本は欧米の侵略をうけるまでに成熟した社会を形成したこともあって、最もそういう考え方から遠いところにあるということを指摘されます。

 さらに同じ一神教の中でも、キリスト教の元となったユダヤ教や、同じくユダヤ教を起源とするイスラム教と比べても、明確な経典が無かったり、かなり一貫性を欠
いたものであることがキリスト教の顕著な特徴だということです。

 キリスト教の説話などを見ても、かなり理不尽なモノが多く、要はキリスト教と言うのは、ひたすら神の救いを待つというのがその姿勢であり、そういうベースを理解することで腑に落ちることが多いようです。

 ということを書いてはいるのですが、なんかキリスト教って、いろんな本を読めば読むほど、解らなくなってきてる気がします…