女の機嫌の直し方/黒川伊保子

 

 

 AIの開発者が語る男女の思考の性差に関する本です。

 実はAI開発の黎明期には、研究の対象が“男性脳”だけだったみたいですね、恐ろしいことに…

 男性の方で、よく女性に対して悪気のない、後から考えても悪いと思えないコトバで女性の“地雷”を踏んでしまった経験のある人が少なからずいらっしゃると思います。

 そういう男女の思考のクセの差によって、かなり誤解を生む余地があるワケで、男性の側としては女性の思考の傾向を把握しておくことで“地雷”を踏む確率を下げて行こうというのがこの本の主旨です。

 男性はゴール志向というか、目指すところに向かって逆算しながらプロセスを組み上げていくのに対して、女性は目の前のプロセスを一つ一つ丹念に積み上げていってゴールに近づくというプロセス志向の考え方なんで、ゴールを一直線に目指そうとする男性にからすると一見ムダなプロセスを踏んでいるように思えるのですが、実はその一つ一つのプロセスに込められた意味があるんだということです。

 だからそういう深い意味の込められたプロセスを踏みにじられるということは、女性にとっては耐え難い無神経に当たって、怒りにつながるようです。

 あと、よく言われる女性は“共感”を求めるというところも紹介されているのですが、女性に相談を持ち掛けられたときに、女性自身は特段解決策を求めているワケではなくて、その困っている状況に感じていることを“共感”して欲しいと思っていることが多いということです。

 知らず知らず“地雷”を踏んでしまいがちな男性の方々は、謙虚にこの本を読んで、傾向と対策を学んでください!(笑)

 あ、ただ付け焼き刃で迂闊な“共感”をすると却って“地雷”を踏むことになりかねないそうなんで、取扱いにはくれぐれも気を付けて…