満足できな女たち/田中亜紀子

 

満足できない女たち アラフォーは何を求めているのか (PHP新書)

満足できない女たち アラフォーは何を求めているのか (PHP新書)

 

 

 この本は2008年に出版された本で、サブタイトルにある「アラフォー」というコトバがテレビドラマのテーマに使われるなど、一般的に使われるようになった時期だったようです。

 その頃「アラフォー」だった世代の女性は社会人になる前後に男女雇用機会均等法が施行され、制度上は性別に基づく雇用の差別的な取り扱いが禁じられて、男性と伍してバリバリとキャリアを求めていく可能性が広がった世代だということです。

 ただ、受け皿としてはまだまだ整っていなくて、キャリアの道に進んだものの思ったような活躍ができなかったりという葛藤も少なからずあったようです。

 それでも段々環境も整って行き選択肢が広がっていく中で、男性や旧世代の女性から見ると、キャリアも結婚も出産も…という「欲張り」な世代に映ったようで言われのない非難を浴びることもあったようで、そういう過渡期の葛藤も紹介されます。

 この世代の人たちは大変だったとは思いますが、その苦労があったからこそ、未だ十分だとは言えないものの、その後の世代の女性の選択肢が広がっていった訳で、それが日本全体の「働き方改革」へのつながって行くのかもしれません。