- 作者: 戸部良一,寺本義也,鎌田伸一,杉之尾孝生,村井友秀,野中郁次郎
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 1984/05/01
- メディア: 単行本
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防衛大学の教授陣の有志の研究会から生まれて、“失敗”研究の草分けともいえる本です。
“失敗”の題材として「大東亜戦争」を取り上げておられて、対米戦争の中の5つの戦闘ととノモンハン事件を取り上げて、戦闘それ自体の“失敗”について論じるのではなくて、日本軍の組織としての問題点に起因する“失敗”の本質的なところを掘り下げえて見つけていこうということがテーマになっています。
半藤さんの『昭和史』なんかでも断片的に取り上げられていましたが、こうやって体系的にその失敗の本質的な原因を見ていくと、それはそれでバカバカしくて、やっぱりムカムカしてきます。
最近の企業倒産などの事例でも言われますが、日本軍やそういった例に漏れず、失敗に対する反省というかフィードバックのできない組織である一方、成功体験には盲目的にすがろうとするところがあり、それが故に冷静な分析を欠いてしまうという、軍隊としては致命的な“欠け”につながってしまうということです。
物量だけでも勝てないアメリカなんですが、モノの考え方にしても日本とは対照的にリアリズムに徹した戦いができるこんな相手に元から勝てるワケがなかったんですよね…って、そういう組織だからアメリカと戦争をしたってか!?