なぜあの人は中学英語で世界のトップを説得できるのか/三木雄信

 

 

 かつてソフトバンクで孫さんの右腕として仕え、短期間で英語を習得した経験を『海外経験ゼロでも仕事が忙しくても「英語は1年」でマスターできる』で紹介された三木さんが、孫さんの話された英語をネタにして、英語を「使える」ようになる方法を紹介されます。

 孫さんが英語でスピーチされているのを聞いたことがある方はご存知でしょうが、バリバリの「日本人の」イントネーションで話されているのですが、それでビル・ゲイツスティーブ・ジョブスなどの世界の名だたる経営者たちと交渉して、Yahoo JapanやiPhonoの独占販売権などの成果をあげてこられました。

 この本を書かれるにあたって三木さんは、孫さんの英語のスピーチ3時間分を分析されているのですが、わずか1,500語足らずの語彙と中学レベルの文法の知識で構成されているそうで、ビジネスにおける交渉も、英語の知識レベルではこれだけで十分だということです。

 ということで、英語を効果的に使えるようにするために、分析の中から50のヒントを抽出されています。

 特に決まり文句とか、ツカミのためのフレーズとか、覚えていればそのまま使えそうなモノも満載です。

 またある程度以上に英語を遣える人にとっても、効果的なプレゼンに使えそうなテクニックもあって、初心者から実践までの「使える」内容となっています。

 最後に実際に孫さんがされたスピーチの全文を紹介されていて、これを見ると腰が引けてしまう人もいるかもしれませんが、語彙的にはIT用語で一部馴染みの薄いモノもありますが、よく見てみると、大半は平易な語彙と文法で構成されていて、実は英語でビジネスをするのって、そんなにハードルが高くないんじゃないか、と勇気の出る内容になっていますので、挫折を重ねた方々に、是非手に取ってもらいたい本です!